2008年04月13日

チベット問題の憂い

昨日の続きです。
チベット問題について、前々回、国家は常に都合の良いように人々を洗脳する。
中国国民だけが洗脳されているわけではなく、どの国にも起き得ることだと書いた。
前回は、その洗脳によって、信じ込まされた正義の名の下、人々が誤った道を進んでしまう危険性はどの国にもあり得ると書いた。
中国同様に、日本もアジア諸国をスポイルしてきたという事実から、今回の中国を見て何を学ばなければならないのか?
それは一人一人が考えなければならないだろう。
さて、今回は、チベットの主張する人権の中で、アイデンティティの問題に的を絞ってみたいと思う。
チベットの人々は、独自の文化と宗教の中で、暮らしを営んでいる。
特に宗教に関しては、『人としてどう生きることが幸せなのか』という道徳観によって、人生を送っているといって良いだろう。
それは、究極的な真理であり、私のような信仰のない人間でも、当たり前のこととして理解できる。
もし、この素晴らしい教えが、他者をスポイルすることで征服(統治)を試みる者の手で、荒らされてしまったらどうなるだろう?
中国が躍起になって共産党一色にしようとする試みは、チベットの人々を、人として最も幸せでいられる状態から遠ざける行為なのだと思う。
それは、世界でも数少ない『生きる意味』を正常に保とうとする人々を汚し、またその継承が成されないことを示している。
2年前、ダライ・ラマの講演に行った時のチラシが手元にある。
その一つに、2005年ダラムサラで行なわれたチベット人に向けたダライ・ラマのスピーチの記述がある。
その中で、ダライ・ラマは、チベット人が侵食されていくことを憂いてこう言っている。
最近、チベット本土の写真集を見ていたのですが、チベット人の中に装飾で飾り、宝石をたくさん身に付けている人がいました。そういう人を見ると、私は恥ずかしくなって、ものが言えない状態になります。
外を飾り、内側も教養があれば、それはひとつの飾りとして尊敬しましょう。中身もなく、教養もなく、人間性もなく、知識もなく、ただ飾りつけていれば、それは恥ずかしい事ですね。チベット人は、中身を身に付けなさい。

チベットは、確実に悪い作用に犯されつつあることを示している。
外からの文化が入ってくることは悪い事ではない。
しかし、確固たるアイデンティティが築けない状況で、人は誤った道に進んでしまう弱さを持っている。
戦後の日本が当にそうであったように…
人としての道徳観、倫理観のなくなった世界がどう変わってしまうのか?
今の日本を見れば自ずと答えが出る。
そんな国ばかり、そんな人ばかり世界に増やして良いのだろうか?
今、先進諸国はどこも、病んだ人々を大量生産している。それも加速度的に。
米国の悪い例を見ながら学べなかった日本。日本に追随しようと、同じ道を歩みつつあるアジア近隣諸国。
おそらく、日本同様、中国はバブル崩壊を迎え、病んだ人々をたくさん抱える事になると思う。
やっぱり歴史は繰り返されてしまうのか?
それを止めることはできないのだろうか?
ここで、今、各地で起きていることを憂いている、ダライ・ラマの心情を想像して、ダライ・ラマのことばを紹介したいと思う。
怒り狂ったところで、敵を全員除去することはできません。
誰かそうできた人を知っていますか。
私たちが怒りや憎しみという
内なる敵を自分の中に宿しているかぎり、
今日の外敵を破壊したとしても何もなりません。
明日は別の敵が現れます。

人から愛され、人を愛するとき、
それがいかに心地よいか、
そして逆に怒りや憎しみが心に満ちると、
いかに居心地が悪いか観察してみましょう。

もし私があなたを叩いて、
あなたが穏やかなまま私を叩き返さなかったら、
結果的に居心地悪く感じるのは私のほうです。
でも叩き返されていたらもっと叩きたい気持ちになります。
暴力と暴力は連鎖し、さらなる暴力を呼びます。

「抱くことば」より


チベットの人々の基本的人権が守られることはもちろん、人類の財産とも言える、この素晴らしい『真に人としての生きる道』の教えを享受し、継承できる世界が得られることを祈るばかりである。
追記:正確であろうチベットの情報を見るならばこちらをご参考に↓
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所 http://www.tibethouse.jp/home.html
posted by メイ・シオン at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ダライラマのお言葉、
読むだけでも、心が澄んでくる感じです。

今回の記者会見をみて、おくればせながらファンになりました。

やはり目が違いますよね。
言葉には言い表せないぐらい真剣ですごい思いの強さを感じて、私本当に胸が痛くなりました。
(それと同時に、それに比べわが国の総理の目と言ったらなんと覇気のない弱々しいものか、、、とついつい比べてしまいました)

>『真に人としての生きる道』の教えを享受し、継承できる世界が得られることを祈るばかりである

私もです。
Posted by 青空 at 2008年04月14日 22:34
青空さん、ダライ・ラマのことばは本当にしみます。
そして、とてもわかりやすいのです。
「抱くことば」はこのような短いことばばかりの本ですが、どれもこれも、そうなんだよな〜と思え、仏教を元に教えをやさしく説いているオススメ本です。
2年前の講演の5回分割掲載ブログにも「ことば」があります。→http://maysion.seesaa.net/article/27257595.html
Posted by メイ・シオン at 2008年04月18日 01:57
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